■第103回■ コンパクトシティ

 コンパクトシティとは、欧米で生まれた都市計画の概念です。行政サービスの効率を高めるために都市の機能を分散させず、環境への不可も低減させる狙いもあります。日本でもコンパクトシティ政策が始まっています。日本の都市は高度成長期を経て拡大し続け、国の政策的にも郊外の住宅地開発が進められその結果、中心市街地の空洞化に悩む地方都市が各地で顕著に見られる様になりました。
  郊外化の進展は、既存の市街地の衰退につながり商店街などでは、いわゆるシャッター通りが生まれています。そこで、空洞化した中心市街地を、暮らし便利な「まちなか」として復活させる取り組みが各地で始まっています。都市郊外化・スプロール化を抑制し、市街地のスケールを小さく保ち、徒歩による移動性を重視し、「住」も含めた様々な都市機能を都市の中心部にコンパクトに集積して、コミュニティの再生や住みよいまちづくりを目指そうとするのが、コンパクトシティの発想です。再開発や再生などの事業を通じて、職住近接型のまちづくりを目指すものです。国もコンパクトシティを目指すべく政策転換を進めています。98年制定のまちづくり3法(都市計画法、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法)の見直しが行われ06年に都市計画法、中心市街地活性化法が改正されコンパクトシティのまちづくりを法制面から支援しています。

[建築情報委員会 杢谷 通夫]