「男らしい?」「女らしい?」という表現があります。これらの表現の場合「男はこうあるべきである。」「女はこうあるべきである。」という意味が含まれています。つまり、ジェンダー(性差)に関連する日本語の表現をジェンダー表現と呼ぶとすれば、日本語のジェンダー表現は社会構造と密接に関係しており、社会的・文化的背景を含蓄しているのです。 さて、現在すでにご存じのようにあらゆる分野へ男女が平等に参画し、共同して責任を担う「男女共同参画社会」を目指すことが求められています。 男女両性が平等で人間らしい幸福な生活を享受するため、「ジェンダー」問題に関する的確な認識を深め、男女共同参画による意思決定を基盤とする社会の構築に向かって、共に努力していくことが、今後ますます必要になってきています。時間の経過とともに「男」と「女」の意味も変化しているのです。 「男が一生をかけるに値する仕事」として、「建築」を選んだという人も多くおられるでしょう。 果たして、「男らしい建築」あるいは「女らしい建築」というのは、可能なのでしょうか?建築の世界でも今後、男女共同参画による意思決定を基盤とする条件を整えて、仕事をしなければならないことは明らかです。ジェンダーフリーな建築を目指すことこそが、求められているように思います。 [建築情報委員会 山口 繁雄] |