建物のLCA(ライフサイクルアセスメント)

 LCAは、製品やサービスに関する環境マネージメント支援技法である。97年6月にISO14040が国際規格となり、それによれば、製品(及びサービス)に付随する環境側面と潜在的影響を、@製品システムに関連する入力及び出力のインベントリ(項目)をまとめる。A入力及び出力に付随する潜在的環境影響を評価する。Bインベントリ分析段階及び影響評価段階の結果を調査の目的に応じて解釈する。以上3項目に従って評価する技法である。規格では@目的及び調査範囲の設定Aインベントリ分析B影響評価C結果の解釈を含まなければならないとしている。
建築の評価は、環境LCAだけで評価されるのではなく、経済性、快適性、利便性、安全性等も同時に評価する必要があり、環境負荷評価と経済性評価では、相反することも多い。
建築物LCAの手法は、日本建築学会、空気調和・衛生工学会、住宅・建設省エネルギー機構、建設省建築研究所、建設大臣官房庁営繕部等で取り組まれ、一部計算ソフト等が公表されている。
建築物の計算・資材製造・輸送・施工・管理・改修・廃棄処分に至るライフサイクル各段階で、各種産業から多種多様なサービスが投入されているが、これら全てにわたったLCAを実用的に行うことは不可能に近い。建築学会では産業連関表を応用したLCAデータベースの研究を行ってきた。本来はあらゆる環境負荷影響を総合評価するものであるが、現時点ではエネルギー消費量、CO2、SOx、NOx排出量について、適用目的に応じたさまざまな境界条件毎のデータまでが整備されている。

〈奥村組建築設計第1部 五宝久充〉