ISO14000s

 建設業、冬の時代。それでもグローバリゼーションはとまりません。9000が終わったと思ったら今度は14000です。
生産過程、完成品、メンテナンスの品質及びその管理システムを対象とする9000sに対し、14000sは「生産過程」とその成果品「製品」が及ぼす「環境」への影響を対象とします。
生産過程での影響は「環境側面」と呼ばれます。「環境と相互に影響し得る組織の活動、製品又はサービスの要素」 簡単にいえば、建設施工において利用される建設機械、運搬車両等が消費するエネルギーと、これらにより発生する排気ガス、騒音、廃棄物等排出物の原因系の要素を指します。
「カンバン方式」が世間を騒がせていた以前から建設業界ではジャストオンタイムに資材の搬入が行われています。運搬車両が現場付近の道路で行列していることはISO違反になりませんか。職人さんが昼休み車の中でエンジンをかけっぱなしでクーラーを付けて昼寝するのは近所迷惑、排気ガス削減の意図に反します。
「製品」が及ぼす影響は「影響側面」と呼ばれ「有害か有益かを問わず、全体的に又は部分的に組織の活動、製品又はサービスから生じる環境に対するあらゆる変化」と定義されます。環境に与える変化の結果系の側面を指します
悪い影響として、大気・水質汚染、騒音等の工事公害、日影問題・ビル風等の環境悪化、良い影響としては都市緑化、環境整備等が上げられます。生産機械の内、ディーゼル車の問題はどうなりますことやら。
乱開発、ミニ開発は14000s違反では無いでしょうか。地域を上げて積極的に開発を推進しましょう。いびつな敷地に自己満足的なのっぽビルは懲り懲りです。

〈鴻池組建築設計部 畑 千治〉