住宅性能表示制度

 住宅性能表示制度は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)」に基づき、新築住宅の基本的な性能を、様々な工法、構造、施工者の別等によらず共通に、客観的な基準により明らかにする制度である。これは、9つの性能表示項目による評価となっており以下の通りである。
  @構造の安定
   ・耐震、耐風、耐雪性能
   ・地盤又は杭の耐力
   ・基礎の構造
  A火災時の安定
  B劣化の軽減
   ・劣化対策(構造躯体等)
  C維持管理への配慮
   ・維持管理対策(配管)
  D温熱環境
   ・省エネルギー対策
  E空気環境
   ・ホルムアルデヒド対策
   ・換気対策
  F光、視環境
   ・単純開口率
   ・方位別開口比
  G音環境
   ・床の遮音性
   ・壁、開口部の遮音性
  H高齢者等への配慮
   ・バリアフリー対策
この制度で扱われる性能項目が住宅の質を決定づけるものでなく、あくまでも客観的な基準に基づいて評価する事が可能な性能のみを取り上げてある。これだけで生活の質を語れるようなものではない。この事を生産者、消費者がよく理解し、生産者は消費者に等級内容を誠実に伝え、消費者は自分の望む生活の質に照らしてそれに上乗せしたい性能項目は何かを見定めていくようなプロセスになればと考える。
等級の高さを競い合い、過剰な質の住宅の建設が進められ、住宅の価格が高くならないことを望む。

      〈(株)平田建築構造研究所 児玉修祐〉