エコデザイン

高度に発達した物質文明が、地球環境問題に深刻な事態を及ぼしつつあることは、日々様々なメディアで言及されている。たとえば地球温暖化はすでに起きつつあり、そのことは台風の巨大化、北極の氷の溶解、地球の平均気温の一定化に役立っているといわれている深層大海流が止まってしまうのではないかという科学的根拠を伴った恐怖などに現れつつあるとある学者は警鐘を鳴らしている。また、今の状態で資源を使い捨てていったのでは、あと50年位までで、亜鉛、クロム、ニッケル、銅、鉛など40数種類の金属(これをペシミスティック・ミネラルという)を使い切ってしまうという専門的な指摘もなされている。
このような深刻な事態を回避するために、我々は自然資源をなるべく使わずに、資源生産性・環境効率の飛躍的な向上を図りつつ、文明社会の繁栄を持続していくシステムを考える必要がある。
ここで登場するパラダイムのひとつが、「エコデザイン」である。エコデザインとは人類が創り出すあらゆる製品―もちろん建築・都市を含む―を企画、設計、生産、再利用、廃棄などの全工程について、地球環境・エコロジカルな視点から再構築することを意味する。キーワードは、再利用(Reuse)、修理/刷新(Repair/Renovation)、再製造(Remanufacturing)、再利用(Recycle)の4Rといわれている。現在の物質文明を創り上げてきたのが、人類が発明した最も強力な社会技術である「ビジネス」であるならば、この文明の問題解決に対して、ビジネスこそが現実的で強大な力を発揮することが出来るはずで、その時の切り口が「エコデザイン」であるとする考え方が、今説得力をもって迎えられつつある。

〈PPI計画・設計研究所長 三好 庸隆〉