「ユニットケア」(グループケアユニット)

10兆円市場と目された公的介護保険制度が施行され1年過ぎました。老人福祉施設は利用者、介護者の立場から、そのあり方が問われています。いままでのような施設が求められていないことは明白です。
「ユニットケア」とは、高齢者の「地域の中で」「当たり前に暮らしたい」という希望から生まれました。施設に入所している高齢者を、小人数のグループに分けて世話をする介護のやり方です。ひとつのユニットが施設内のひとつのフロアで、玄関や居間、台所や食堂を設け、その場所で利用者と専属の介護職員が寝食をともにし、共同生活を営みます。このシステムのメリットは、利用者は同じユニットの中で生活する仲間や職員と生活することとなり、家庭的な雰囲気を体感することができます。また、職員は、利用者との関係を密接なものにすることができ、より細かいニーズに答えることが出来ます。
このシステムは民間から生まれました。「自分が入りたい施設」を考慮した「ユニットケア」が日本の介護システムのターニングポイントとなることを望みます。
□旧厚生省が、平成12年度より特別養護老人ホームにおいてユニットケアが行われるよう施設整備の補助基準を下記の通り示しました。
・『グループケアユニット型特別養護老人ホームの設備条件』
■ 1グループの定員
・ 個室、2人部屋の場合10人程度
・ 3〜4人部屋の場合15人程度
■ 必要な部屋
・ 居室 ・ 談話スペース ・ 食堂
・ 台所、トイレ(他のユニットとの共用も可。トイレは施設内に分散すること。)
・ その他(介護職員のためスペースや汚物室など)

〈東畑建築事務所情報管理部 横田淳子〉