海洋深層水

海洋深層水とは、一般的には水深200メートルより深いところにある海水のことを指します。深度が200メートル以上と深いため太陽光線はほとんど届かず、しかも高圧の状態にあるため細菌が少なく、栄養分を豊富に含んでいます。また、海水の温度は年間を通じて低温で安定しています。
海洋深層水の大きな特徴は、まず太陽の光がほとんど届かないところにある水なので、太陽の輻射を受ける海面に近い海水に比べて水温が低く、しかも年間を通じて水温の変化がきわめて少ない海水です。
又、この海水に含まれる植物プランクトンは、太陽光が届かないため光合成ができずバクテリアによって分解され、これらの栄養物質は消費されないため栄養分が豊富に含まれています。
そして水深200メートルより深いところでは、水質悪化の原因となる有機物の濃度が低く、細菌による汚染がほとんどありません。また、陸や大気からも汚染の可能性が低い。
以上のような低水温性、富栄養性、清浄性といった大きな特徴をもっています。
このような特徴をもっている海洋深層水が、最近、注目されています。日本においても70年代中頃から利用研究に着手し、その有効性が実証され、21世紀の資源としてもっとも注目されており、今後、さまざまな利用が見込まれています。

〈大成建設関西支店設計部 杢谷通夫〉