ナノテクノロジー(ナノテク)

「ナノ」とは物理量を示す記号です。「ナノテクノロジ−」とはナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリ)という原子や分子レベルの大きさでものを作ったり加工したりする技術です。
IT革命を支えてきた半導体技術や記録技術、光技術などは、従来のアプローチの延長では、5〜10年後には性能の限界を迎えると予想されており、例えばIT技術のLSIで見ると、最小寸法がディープサブミクロンからサブ100ナノメートルに入りつつある。このような領域では、新デバイス、新材料、新プロセス、極限計測などの技術開発がナノテクノロジーにより、可能になると期待される。
ナノレベルで原子・分子を制御し、その物質の特性を活かす、ナノ・材料プロセスにより、高機能材料や高強度の構造材料などの新しい材料の開発が可能となり、その応用は情報通信のみならず、医療、化学、環境、エネルギー、機械など幅広い分野に及ぶことが期待される。例えば、物質をナノサイズにすることにより生まれる特有の効果を用いることで、エネルギーの高効率生成、高強度の材料、高寿命の電池、低公害車など、環境負荷が小さく循環可能で、省エネルギー、低コストな材料により、高機能を達成できる。また、高感度のバイオセンサーなどのナノバイオにより、高度医療・健康社会への直接的貢献も期待される。さらに、微細な加工、制御、応用技術は製造・加工技術の分野に大きな変革をもたらすと予測されている。
物を小型化する技術は今日まで、行われてきたものであるが、ナノテクノロジーは小型化するというより、最小単位から構築するという別のプロセスをとる。この技術が建設産業にも影響を及ぼす可能性がある。

[奥村組 建築設計部 五宝久充]