ブロードバンド(Broadband)

高速・広帯域のデータ通信を示し、今までのモデムやISDNを使ったインターネット接続とは違い、「高速」「常時接続」「定額料金」の特徴をもつ新しい接続方式です。代表的な方式に、「ADSL」「CATV」「FTTH」などがあります。ネットワークの通信速度を示すものとしてコンピュータのデータ量の最小単位「bit」(アルファベット1文字は8bit,日本語文字1字は16bit)を1秒間に何個伝送可能かということから「Bit Per Second」の頭文字「bps」という単位が用いられています。モデムやISDNでは各々56kbps、128kbps(1kbps=1000bps)が最大ですが、「ADSL」では最大8Mbps、「FTTH」では最大100Mbps(1Mbps=1000kbps)にもなります。「高速」であることは単に通信時、データダウンロード時の待ち時間が小さくなるだけではなく、インターネット上のテレビ・ラジオ放送の「ストリーミング放送」が利用できるなど、インターネットの活用方法自体が大きく広がることを意味します。
「ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)」(非対称デジタル加入者通信線)は、現在家庭に引かれているアナログ電話回線を利用し、デジタルデータを伝送する方式で、電話局から家庭への下りの伝送速度を高速に、逆の上りのそれを低速にといったように「非対称」な通信速度が割り当てられています。「CATV(Cable TeleVision)」はケーブルテレビ用の同軸ケーブルを利用してインターネットのデジタル信号をテレビ信号に並行して伝送する方式で、専用のケーブルモデムを取り付けることで利用可能となります。「FTTH(Fiver
To The Home」(光ファイバ接続)は、局から家庭までデータ用光ファイバを新たに配線し、最大100Mbpsという高速通信を可能にしますが、まだ限られた地域でのサービスとなっています。ブロードバンドネットワークはインターネット社会を著しく発展させます。

[日建設計構造設計室 阿波野昌幸]