「チャレンジド」というのは、十数年前にアメリカで生まれた言葉で、「神から挑戦という課題、あるいはチャンスを与えられた人」を意味します。おもに「障害」を持つ人にたいして使われている言葉です。正式には、「ザ チャレンジド」(The Challenged)と言うそうです。
「障害」をマイナスと捉えるのではなく、「障害」を持つがゆえに体験するさまざまな事象を、自分自身のため、あるいは社会のためにポジティブに生かして行こう、という想いを込めた呼称です。
つまり「障害者」は、「障害」による困難さや、社会的不利益によって、それらに挑戦するという使命や課題、さらには資格やチャンスを与えられた人である、という新たな視点から生まれてきた言葉です。新しい視点や言葉は、新しい文化や価値観を産み出す可能性を持っています。
これは、「すべての人間には、生まれながらにして自分の課題に向き合う力が与えられている。しかも、その課題が大きければ大きいほど、向き合う力もたくさん与えられている。」という哲学にもとづいて生まれてきた言葉です。
(竹中ナミ『ラッキーウーマン』飛鳥新社より)
「チャレンジド」には、自分の課題に向き合う力が与えられています。「チャレンジド」には、「自分のなかにいろいろな力が、潜在しているのだ。」というサインやメッセージが込められているのです。
現在の状況は、まさに試練の連続のように思われます。このような時代こそ、すべての人が生きる力を引き出せる「チャレンジド」の精神が、必要とされているのだ、と強く感じます。
[大阪市立都島第二工業高等専門学校 山口繁雄]
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