ホルムアルデヒド

空気中にあふれているガス状の化学物質。蛋白質を凝固させる性質をもち、水に溶けやすく、揮発性が高い。
尿素系やフェノール系の合成樹脂の生産に用いられる化学物質で、パーティクルボード、繊維版、ベニヤ板を生産する際の接着剤や壁紙(クロス)接着剤、防腐剤、消毒剤として利用される。湿度が高いほど放散量は増加する。気密性の高い住宅の中で、空気中に揮発されたホルムアルデヒドを吸い込んでしまうと目やのどの痛み、頭痛、喘息発作等の症状が出る(シックハウス症候群)。短期間暴露による人体への影響としては、空気中の濃度が0.08ppmで、刺激臭を感じ、0.3ppmで鼻・目への刺激魚感じ、0.5ppmで咳が出る、15ppmで強度の流涙、31ppmで生命に危険がおよぶ。厚生省でも、ホルムアルデヒドの室内濃度指針値として、「30分平均値で0.1mg/㎥(0.08ppm)以下」を提案している。2003年7月より施行された、改正建築基準法でも、設計者にシックハウス対策を求めている。
その対策としては、出来るだけ含有する建築材料(家具も含む)を使用しない。計画換気を行い、通気経路を常に確保しておく。(特に高温になると揮発しやすい為、夏季の換気を十分にする。)常に快適な環境を求めるのであれば、適切な気密工事がなされ、計画換気ができるようにしておく必要がある。目安としては、
必要換気量0.5回/hをみたしておけば、許容濃度に緩和できる。ただし、影響は人によって違いがあるので、含有率の低い建材を選ぶ必要がある。

[(株)奥村組建築設計部 五宝久充]