■第64回■ サスティナブルデザイン

 サスティナブル(Sustainable)とは、持続可能なとか永続的なという意味であり、これはいかに環境に負荷をかけずに経済活動と自然環境のバランスを保てるかということのキーワードである。 しかし、現実の社会は、化石燃料に変わる有効なエネルギーをまだ持てない状態であるし、ゴミやCO2の削減すら思うように進まない。昨今の猛暑や集中豪雨を見ていると、本当に「宇宙船地球号」に異変が起こっているのではないかと思ってしまう。
そこで、建築に携わる者の考え方として「リサイクル」を考慮した「エコマテリアル」の利用や、「屋上緑化」等の「エコロジーデザイン」、「リニューアル」(改修)や「コンバージョン」(用途変更)等に注目する必要がある。
建築家の難波和彦氏は、このような観点から「アルミエコハウス」の開発に取り組んで実現させている。
今後産業廃棄物等の規制は、ますます厳しくなるであろうし、工業製品は全てにおいてそのような視点を要求され、無視すれば生産を維持できなくなるであろう。
20世紀の「スクラップ&ビルド」の大量生産、大量廃棄、の体質から21世紀の「環境共生型循環社会」へ早く移行しなければならない。そのためには、建築の世界だけではない世界的規模で実施され、共感される真の「サスティナブルデザイン」が必要である。

[青山建築設計事務所 青山昭治]