■第67回■ アーカイヴズ(archives):文書保存館、記録保管所(アルヒーフ:Archiv) |
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アーカイヴズ(archives)とは、記録保管所や文書保存館ともいわれ、また古文書や記録類そのものを指す場合もあります。
わが国でも、国立公文書館が1971年に東京都千代田区に設置されています。この機関は、国の各行政機関から受け入れた歴史資料として重要な公文書等を長く保存し、閲覧・展示などに供するとともに、その有効な活用を図るための調査研究を行っています。同館では、内閣文庫所蔵の古書・古文書や、公文書課所蔵の貴重な公文書を紹介する展示会を年2回 開いています。
現在、独立行政法人になった国立公文書館は、国の機関から内閣総理大臣が移管を受けた歴史資料として重要な公文書等を保存し、一般の利用に供すること等の事業を行っています。
それでは、建築にとってのアーカイヴズ(archives)とは一体どのようなものなのでしょうか?建築は、そこに存在し「残る建築・残すべき建築」という問題がつきまといます。また、経済効率や耐用年数といったものに大きく左右され、取り壊されてゆくものも数多くあります。
さらに建築そのものがアーカイヴズ(archives)であるという見方もあります。なぜなら、建築は、それが建てられた時代性や地域性を非常に重く背負っているからです。建築にはドキュメント(記録・資料)がまとわりついている、と言えるのです。
これは、建築には物語があるということに他なりません。つまり文化としての価値を伝える記録や資料(ドキュメンテーション)が建築にはすでに含まれています。このような記録や資料の価値は、発見されることを待ち望んでいます。さらに、新しい物語を記録や資料(ドキュメンテーション)がつくってゆくアーカイヴズの役割は、今後とも非常に重要な役割を果たすと言えるでしょう。
[大阪市立都島第二工業高等学校建築科山口繁雄]
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