■第79回■ ヒートアイランド現象

近年、都市の中心部の気温が郊外に比べて、島状に高くなるヒートアイランド現象が大都市を中心に顕著なものとなってきています。この原因として、人間活動により排出される人工排熱の増加、緑地や水面の減少と建築物や舗装面増大による地表面の人工化等が挙げられています。人工排熱としては、住宅やビルの人工排熱の他にも、車や工場の人工排熱等があります。東京を例にすると、建築に起因する人工排熱量が約半分を占め、建築物がヒートアイランド現象に及ぼす影響が大きいと言えます。

一般に、建築物における人工排熱というと、冷房用室外機からの排熱がまず、思い浮かぶため、原因のすべてであると考えられがちですが、実はそうではありません。建築物に持ち込まれたエネルギー(電気、ガス、油など)が最終的に熱となって大気環境に放出されたものが人工排熱です。従って、冷房をしなくても人工排熱は発生します。例えば、照明器具や家電製品等の発熱機器は、冷房をしていてもしていなくても人工排熱を発生していると言うことができます。なお、近年、建築計画におけるヒートアイランド現象緩和策を簡易に評価できるツールとして、CASBEE-HI(Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency on Heat Island Relaxation)がIBEC(住宅・建築省エネルギー機構)により開発されています。これは、「風通し」、「日陰」、「外構の地表面被覆」、「建築外装材料」、「建築設備からの排熱」の5項目に関する建築計画の配慮事項を簡易に評価できるようにしたものです。

[日建設計エネルギー計画室 丹羽英治]