“セレンデピティ”とは、「偶然の幸運に出会う能力」と訳されています。本来、幸運との出会いや偶然は、自分が思いのままにコントロールできない世界に属しています。たとえば、能力が高い人でも幸運に恵まれないこともあり、能力がさほどでない人が大きな幸運に恵まれることもあります。しかしながら「果報は寝て待て」という態度ではなく、とにかく何か具体的な「行動」を起こしていることが最小限必要になります。さらに、「偶然の出会い」自体に「気づく」ことも必要です。この「気づき」は、自分の外で起こっていることや、自分が心の中で感じていることに対する注意深い観察力があって、初めて可能になるのです。つぎに、意外なものとの出会いに際して、素直にその意外なもの受け入れること、すなわち「受容」的な態度も重要です。 [建築情報センター委員会 山口繁雄] |