コンプライアンス(Compliance)の語源は、動詞のコンプライ(comply)で「何かに応じる・従う・守る」を意味します。従ってコンプライアンスも「何かに応じること・従うこと・守ること」を意味し、漢字で表すと、応諾・承諾・協力・準拠・従順・遵守などの語になります。また「企業が法律や倫理を遵守すること」という狭義の意味で使う場合は、一般的に〔法令等の遵守〕という意味で用いられています。企業倫理の話題を語る際によく出る言葉で、特に経営者やコンサルタント、証券業界(法律遵守性が市況に影響を与えるため)、マスコミ(企業の不祥事を扱うため)などが、この言葉を用いています。例えば「我が社はコンプライアンス体制の確立が必要だ」「この企業は、コンプライアンスへの取り組みが見られるようになった」「コンプライアンスは経営戦略の重要な要素になった」などの言い方をします。コンプライアンスという言葉が頻出する背景には、倫理意識の欠如を原因とする、企業の不祥事が増えている問題があるようです。不祥事を起こした企業は、売上の大幅な落ち込みなど、経営に大きな悪影響を受けるので、不祥事が起こらないように、日頃から、法令などを遵守してルールを守った活動を行うように、全員に徹底させておくことが重要と認識されています。ただし、企業でコンプライアンス が使われる場合には、 ただ法律に触れなければ何をしてもいいというわけではなく、企業倫理の遵守も企業には求められます。 [建築情報センター委員会 岡村宜憲] |