■第92回■ ロハス

 ロハスとは、Lifestyles of Health and Sustainability (健康で持続可能なライフスタイル)の頭文字で、健康や環境、社会正義、自己実現やサステナブルな暮らしを重視する消費者にとって魅力的なモノやサービスを扱う市場をあらわす言葉です。
1998年にアメリカの社会学者ポール=レイ氏と心理学者シェリー=アンダーソン氏が消費者行動調査から提唱したのが始まりです。
市場は、下記の5つの部門で構成されており、健康の増進、生態系の保護、ヒトの潜在能力の持続可能な開発、天然資源利用の減少、ヒトと自然界の調和的共存を目的とした製品やサービスが実現されています。
5つの部門は、「持続可能な経済」(環境にやさしい建材や製品、再生可能なエネルギー、環境マネジメント)、「健康的なくらし」(天然有機滋養製品、栄養補助食品)、「代替医療」(健康増進法、自然療法)、「自己実現」(心身と精神のための製品、感性を高める製品)、「エコライフスタイル」(エコ製品、有機再生製品、環境にやさしい製品)。
ロハス市場を理解することにより、企業はさまざまな商品分野におよぶ消費者価値―地域住民としてのホリスティックなライフスタイルの基盤となる共通の価値観―の相関性を把握できるようになります。
企業の戦略のみならず、私たちの生活スタイルを考える上でのヒントになりましょう。「安ければよい」「効率がよければよい」といった選択基準と異なり、「自分や他人のカラダに悪い影響を与えないか」「地球環境にとってマイナスにならないか」を考えた消費や行動を選択していくライフスタイルを意識できます。

[建築情報センター委員会 国友博司]